ISBN:4641121923 単行本 栗原 浩英 有斐閣 2003/09 ¥1,995

 最近、あることに気付いた。
 
 「この本、欲しいわ〜。だけど、お金がもったいないから、図書館でコピーしちゃえ」という訳で、コピーしているうちに、「あれー。こんなにコピー代かかるなら、買ったほうが絶対に得だった」という後悔を何回繰り返しているだろうか・・・。
 その癖、ホントにどうでもいい本は簡単に買って、そのまま本棚の奥に眠らせてある。ああ、もったいない、もったいない。
 古本屋に持っていったら、全部で幾らもらえるかしら、とツマラン計算をしてみた。・・・二束三文じゃないか。売らないでおこう。

 さて、真面目に高校で世界史を勉強していたなら、絶対に読まなくても良かった筈の本を今更ながらに読んでみた。
 思えば、何で中高生時代、社会科の授業中、あんなにぐーぐー寝ていたのだろう。
 
 ベトナムに留学していた、と言うと、必ずベトナム戦争のことについて聞かれる。まあ、聞いている方も、それ位しか話題の持って行きようがないからなんだろうけど。
 でも、実は私、全然分かっていない。なんとも情けない話だけど。
 そんなわけで、この本を読んだ。

 まさに、高校の世界史の教科書そのものってかんじ。有斐閣アルマの入門レベルのテキストだし。
 読んでてちっとも面白くなかったけど、ざっと読んでみて、少しは勉強になった・・・かなぁ。

 今日の晩御飯は焼きソバにしよう。近所のスーパーで、えのきが一袋5円で売られていたので、どっさり買ったし、それをたくさん使おう。
ISBN:4022740795 単行本(ソフトカバー) 朝日新聞社 1997/10 ¥1,260

 この頃、朝起きると「あー、今日もいい天気みたいだな。」と感じる。そして、食後のコーヒーとタバコがたまらなく美味しい。

 高血圧な癖に寝起きが悪くて、大学の授業も1コマ目にはよく遅刻をしていた私からは、想像も出来ない姿だ。

 やっぱり毎日が楽しいんだと思う。
 最初は何だかんだと文句も言っていたけれど、今は養成講座でオジサン・おばさん・お兄ちゃん・お姉ちゃん達の顔を見るのが嬉しい。
 人間関係って大事よね。それがうまくいかないと、勉強にも身が入らない。

 教師ってキャラがものを言う商売なのかなあ、と最近強く感じる。教師がイヤイヤやっていると、生徒も必ずイヤそうな顔をしている。
 言葉だけでなく文化も伝える教師ならば、尚更イキイキとしていないといけないんだろうな・・・なんて。

 以前は、音声・音韻論がサッパリ分からなくて、大嫌いだった。だけど、最近、何故か一番好きな分野になりつつある。どれも中途半端ながら、一応、日本語を含めて五ヶ国語を大学で勉強したことが少しは役に立っているのかな。
 今はまだ、聞きかじった程度なのだけれど、本格的に勉強したらさぞや面白い分野なんだろうな。
 あと、コミュニケーション学もとても楽しい。

 現場でどんどん経験を積んで、いつか大学院で勉強できたらなあ、なんて♪気が早すぎるかな。

 ただ、とても心配なことがある。
 私は、冗談じゃないくらい、絵が下手なのだ。だから、イラスト一つ描くのにも一苦労。
 練習したら上手になるのかしら???

 兎にも角にも、楽しい日々に感謝☆

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 明後日から一泊二日で福島へ旅行に行くつもり。
 国内を一人旅するのは初めてなので、ドキドキしているけど、思いっきり楽しまなきゃ。
  サイクリングが楽しみ。
ISBN:4094055320 文庫 江川 紹子 小学館 2004/03 ¥630

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 もし、「最もチャーミングな女性は誰だと思う?」と聞かれたら、私は多分、「江川紹子さん」と答えると思う。

 二年ほど前、大学でジャーナリズムの講座に出ていた時に、江川紹子さんがOGとして講師を務めてくれた。

 私が江川さんを知ったきっかけは、オウム真理教が起こした事件だった。当時は、何だか恐そうな女性・・・と思っていたけれど、生で見る江川さんは、笑顔がとてもかわいくて気さくな人だった。
 
 そう言えば、江川さんの話を聞いてから、なんとなく新聞記者になりたいなあ、と思い始めた気がする。(結局「夢」で終わっちゃったけど。)
 
 実は、『人を助ける仕事』というタイトルに一瞬、違和感を感じた。
 けれど、本書に紹介されている37人の方々は、「好きでこの仕事をやっていて、それがたまたま人助けにつながっている」という感覚の人たちばかりだ・・・これが、読み終えた感想。

 「他人様の役に立とう」という気持ちでがむしゃらになっているわけではなく、自然体で生きている37人。
 飾ることのない言葉を引き出すことが出来たのは、江川さんだからだったのかもしれないな、なんて。

 「心の警戒警報を大切にしてください。我が身に危険が近づいている時というのは、実は心の中で警戒警報が鳴っているものです。
 たとえ、どんなに『立派な』人の言動でも、『おかしい』と思ったら、それを『自分が勉強不足だから、理解できないだけだ』と思う必要はありません。
 オウム真理教によって人生を狂わされた人たちを見てきた私が皆さんに伝えたいことは、そのことです。」
 これは、江川さんが講演会で話してくれた言葉だ。

 厳しさと優しさを兼ね備えた、江川さんみたいな女性になりたいなぁ。 

ALONE TOGETHER

2004年5月25日 読書
秘密メモあります。

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ISBN:4575234028 単行本 本多 孝好 双葉社 2000/09 ¥1,470

 夜、なかなか寝付けなかったので、何となく手にとったところ、あっという間に読んでしまった。

 「(呪いが)他者の意思により無意識の領域に情報としてインプットされ、その脳を持つ個体そのものを操る可能性」(があるのか?)という言葉をきっかけに、この作品の世界に引きずり込まれた。

 不思議な世界にいるような気分にしてくれる一冊。

死の壁

2004年5月17日 読書
ISBN:4106100614 新書 養老 孟司 新潮社 2004/04/16 ¥714

 友人から借りて読んだ。
『バカの壁』『まともな人』がとても面白かったので、期待して読んでみたのだが、『バカの壁』以上に読み応えがあったかな。
 
 やっぱり、養老氏の文章は本当に分かりやすい。とても難しいことを、サラリと言ってのけるところがスゴイと思う。

 この世を「メンバーズ・クラブ」に例えている点が、また養老氏らしいな、と思った。

 ところで、養老氏は時々、ベトナムの山奥で虫捕りをしているそうだが、一度、麦藁帽子を被って虫を捕っている姿を見てみたいものだ。

 今日、ふと気付いたのだが、私が読む本の大半は「死」だとか「虐殺」だとかいった、一般的に忌み嫌われるようなテーマのものだ。
 まあ、卒論がそういうテーマだからってのも理由なんだけどね。でも、それ以上に、自分が一度ならずに二度も、病気と事故で本当に死にかけたというのが理由だと思う。それに加えて、小さい頃から人の死ってものを、周りの人と比べて多く見る機会があったからだと思う。

 だから、どうしても、「死」というものを、「生」の対極として捉えることが私には出来ない。
 そして、生きることの意味を考える=死を真っ直ぐに見つめる、ということだと私個人は考えている。

 養老氏の他の作品も、全て読みたいなあ。

 

 
 
ISBN:4062647648 文庫 沢田 教一 講談社 1999/11 ¥630

 大学生協で入手した。

 沢田教一の名前を知らない人は結構いると思うが、世界史を勉強したことのある人なら、おそらく教科書で、彼が撮ったベトナム戦争の写真(ピュリッツアー賞受賞)を見たことはあると思う。
 
 沢田は、ベトナム戦争の最前線で命をかけて写真を撮り続けた。その後、カンボジアに行き、そこで34歳という若さで銃弾に倒れた。

 彼は「真実は現場にしかない」という言葉を残しているそうだが、写真を見ても、その信念がひしひしと伝わってくるようだ。

 サイゴン中心部にある戦争証跡博物館に展示されている、沢田の撮った逃げ惑う親子の写真は、一際目を引いていたように思う。
 観光地めぐりの一環として訪れた人達にとっては、見るに耐えない写真やホルマリン漬けの胎児が山のように展示されている中でも、沢田の写真だけは違う光を放っているように思えた。

 戦場で、バタバタ人が死んでいく中で、彼は何を思いながら、シャッターを切っていたのだろう。

 ベトナム人に、ベトナム戦争のことを聞いても、長々と語る人は、まずもっていない。ただ、青春の大半が戦火に怯える日々だった・・といったことを手短に語る程度だ。

 毎日、大学に通うとき、統一会堂の前を通っていた。しかし、今では、わずか30年ほど前に、ここに戦車が突入してサイゴンが陥落し、ベトナム戦争が事実上終わったことも容易には想像が出来ないくらいに、物やバイクが溢れている。

 もしも沢田がこの光景を見たら、どう思うだろうか。

 
 

 
 日本では『最初に父が殺された』という題名で出版されている。

 杏は、たまたまシェム・リアプのセントラル・マーケットで約2ドルくらいで原版を手に入れた。(ちなみに、杏の話を聞いて買いに行った先輩は、もっと高かったと言っていたような。)
 大学の教授から、この作品自体の胡散臭さについて聞かされていたので、何となく読んでみたのが、一年前。
 そして先日、講義で虐殺に関する話題がのぼったので、思い出してもう一度読んでみたのだった。
 
 家族とプノン・ペン市内で幸せに暮らしていた著者、ルオン・ウン。しかし、ロン・ノル政権へのクーデターを起こしたポル・ポト達は、プノン・ペンから市民を追い出し、プンン・ペンは無人と化した。ロン・ノル派であった父や家族と共に、放浪そして過酷な強制労働に苦しむ日が続く。その後、家族はどんどんと殺されていくのだが・・・。そのへんのことが、当時、まだ幼かった頃の著者の視点で描かれている。
  
 確かに、かなりフィクションの部分が大きいと思う。リアルな描写にも、「?」と感じることが度々ある。勿論、背後には色んな理由があると思うが。
 でも、これは、うそ臭さを見抜いてやろう、という気持ちが、そういう読み方をさせたのだと思う。もし、先入観なく読んでいたとしたら、私は、ただただ「粛清」という名目で行われた残虐な行為の詳細や、子供の目に写ったあまりにも悲しい現実に涙したと思う。
 
 以前、平和学の講座で興味深いことがあった。
 
 被爆者の女性の話を聞いた翌週、コーディネーターの教授の元には、「あの話はウソ臭い。つじつまが合わないと感じた。どうして彼女は、あのような講和をしたのか。それも淡々とした口調で・・・」といった感想が届いたという。
 そんなことを聞いて、杏はちょっとびっくりした。皆、そんなあら捜しするように聞いてきたのか、それも50年以上も前、彼女が娘さんだったころに体験した悪夢を、振り絞るような声で話してくれた講和を・・・。
 
 平和ボケすらしている若者に向かって、当時の悪夢を話すこと自体が、どれほど勇気のいることか。なのに、学生は「その話が本当か嘘か」ばかりに意識を集中させて聞いていた。これは、講和者に対する、一種の「暴力だ」と感じた。
 
 しかし、さすが教授。いい話を聞かせてくれた。
 要点をまとめると、「人間、50年以上も生きていれば、どんなに辛いことでも、時間とともに忘れていくし、記憶に曖昧な点も出てきます。でも、ここに、『あの日の広島』を現実に体験した人がいることに、何ら事実と異なる点はありません。
 『信憑性があるか否か』を判断するのではなく、一時代を生き抜いてきた人間が感じたことや、その人間の思いといったものを、丸ごと受け止める・・・そういったことが、平和学を勉強している君達には必要なことではないだろうか」というようなことだった。
  
 この一冊を読んで、そんなことを思い出した。
 
ISBN:4130033131 単行本(ソフトカバー) 高橋 哲哉 東京大学出版会 1998/05 ¥2,625

 この一冊は、とても中身が濃い。
 最初は高橋氏の「否定論の時代」を読もうと思って手にとったのだが、なんと小森陽一・姜尚中・吉見俊哉・古田元夫先生の論文も収められていた。

 ●「政治家の失言、妄言なら他国にもある。しかし、ホロコースト否定論まがいの議論をする『知識人』に導かれ、多数の『文化人』『財界人』が『国家の正史』を要求して立ち上がる。なんと恐い国に生きているのかと思う。正気を保つためには、ある別の狂気が必要だ。」(高橋)
 
 ●最も興味深かったのは、古田先生の『戦争の記憶と歴史研究』だ。
 古田先生は10年間、1945年に北ベトナム(主にクアンチ以北)で発生し「200万人以上が」死亡した大飢饉に関する実態調査を行ってきた。
 この大飢饉、よく知らないのは私だけではないと思う。だけど、相手(ベトナム人)の恨みは確実にこちらに向けられている。少々語弊があるだろうが、要はこの大飢饉に日本人が大きく加担した、ということ。
 私のよく知っている日本人(留学仲間)は、(地名は忘れたが)北部の田舎に行ったとき、ある男性から突然「俺の父親や親戚は、日本軍に食料を全部取り上げられて、死んだ!」と、怒鳴られたという。彼女の話を聞いて、一瞬、ゾッとしたのを覚えている。
 しかし、1945年前後は、ベトナムでも政治的混乱が激しかったので、飢饉に関する資料は殆ど残っていないという。人々の記憶と神話・物語。「過去を閉ざし、未来を志向する」という1991年以降のベトナムの外交スローガン・・・。

 「私は、戦争責任が関係する問題では、まず加害者が自らの国民神話に明確な態度を示すべきだと考えている。このような立場を加害者がとらないかぎりは、被害者の国民神話を問題にすることなどできない。この点を抜きにして、加害者と被害者の国民神話を、同じレベルの対立と見ることは、日本人なら日本の国民神話に、ベトナム人ならベトナムの国民神話にこだわるのが当たり前といった議論と大差ない欠点をはらんでいるように、私には思えてならない。」(古田)

 ●長谷川博子『儀礼としての性暴力−戦争期のレイプの意味について』

 「戦争期における極端な性暴力の現象を、その残酷さや残虐性に目を奪われ、一部の『異常な』人間による逸脱行為・狂気とみなし、『日常性』の外にある『闇』として遠ざけてしまうと、その現象の持つ日常社会とのつながりは見えてこない。しかし、実際には、戦場で強姦に関与したのは、ごく普通の兵士達だったのであり、戦場での性暴力の可能性は『平時』を生きる私達自身の内部に潜在しているのである。この問題は、性暴力とは何かという普遍的な問題につながっているとともに、戦争とは何か、戦争と人間、とりわけ兵士の生成の問題にも深く関わっている。」(長谷川)

 イラク人に対する虐待のニュースを見る際の、一つのヒントを与えられたように思う。
ISBN:4794210361 単行本 ドー・ホン・ゴック 皆川 一夫訳 草思社 2001/03 ¥1,470

 最初はモグリだったはずの老年学の講座で、もうすぐプレゼンの番がまわってくるので、何となく材料探しをしていた時に見つけた一冊。
 
 著者は、ベトナムで有名(らしい)小児科医、ドー・ホン・ゴック(杜紅玉)氏。
 読んでみて、特に面白かったというわけではないけど、まあ、歳をとるってのはどういうことかと考えるきっかけになったかも。老後の健康に関する実用的なことも結構書かれていたけど、著者が最も意図したのは精神的なことについてだったのだろう。飛ばし読みしたので、よく分からないけど。

 ベトナムのことわざや詩なども多く引用されていて、私にとってはなかなか、勉強になった・・・かな。
 
ISBN:4415099777 ムック 成美堂出版編集部 成美堂出版 2003/12 ¥1,680

 大学で、グローバリゼーションに関する講義中、講師にイキナリ「ところでキミ、スリランカの首都はどこ?」と聞かれ、「えーっと・・・。分かりません。」といった直後、後ろの席から「スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテです」という声がした。
 無性に悔しかった。

 そう言えば、わたしゃ、地理は昔から苦手だった・・・。しかし、旅行業界就職を目指すなら、少しは勉強しないとなあ、と思い、この本を買ってみた。

 書籍に関しては、あまり値段を気にしないほうなのだが、この本は、これだけの内容で1680円。安い!
 中高生が持っているような地図帳を更に面白くしたかんじ。勿論、全ページがカラーで、情報がコンパクトにまとめられていると思う。
 
 なかなか良い地図帳を手に入れたところで、今度は恥をかかないでいいように、ちいっとは勉強するか。

天国の本屋

2004年5月8日 読書
ISBN:4101048223 文庫 田中 渉 新潮社 2004/04 ¥500

 大学生協の本屋で「オススメコーナー」にあったので、買って読んでみた。ずっと前から気になっていた一冊。『プール』を読んでから、松久淳+田中渉氏の作品は全部読んでみたいなあと思っていた。

 『プール』もそうだけど、『天国の本屋』も、本当に優しい心にしてくれる一冊。後味がとても良い。
 
 
 
 
杏

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